「海の見える理髪店」荻原浩著
ぎこちなくも優しい理髪店の店主とお客さんの物語。
ひとりのお客さんに対して、理髪店の店主が丁寧に髪を切り、髭を剃り、
マッサージなどを行いながら、自身の生い立ちを話ししていくストーリー。
読んでいるうちに物語の中に引き込まれていきます。
行間に理髪店での風景が浮かんできたり、店主の人生が垣間見えたりするような描写が心地良く、店主の気持ちを探りながら読み進めた作品でした。
読み終わった後には何か清々しい気持ちでした。
この本は短編小説集になっていて、タイトルの「海の見える理髪店」は植木賞受賞作です。
他にも5編の作品が書かれていて、それぞれに良い味がありますが、
私はこの本の中では断トツで「海の見える理髪店」が好きです。
他の作品では人間の皮肉な部分、意地の悪い部分も書かれていますが、どこかに救いもあります。
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本の帯
植木賞受賞受賞作
大反響35万部突破!!
人生に訪れる喪失と、ささやかな希望の光ー
心に沁みる儚く愛おしい家族の小説集。
裏表紙
店主の腕に惚れて、有名俳優や政財界の大物が通いつめたという伝説の理髪店。僕は在る想いを胸に、予約を入れて海辺の店を訪れるが・・・・・「海の見える理髪店」。独自の美意識を押し付ける画家の母から逃れて十六年。弟に促され実家に戻った私が見た母は・・・・・「いつか来た道」。人生に訪れる喪失と向き合い、希望を見出す人々を描く全6編。父と息子、母と娘など、儚く愛おしい家族小説集。植木賞受賞作。
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