「みんなのうた」重松清著
家族と故郷の物語。
都会での暮らしに憧れ、夢を抱いて上京するものの、夢破れて「帰郷」する20代女性が主人公。プライドが高くて人間関係が苦手な主人公が、学生時代には敬遠していた同級生と再会して、田舎の人たちとのかかわりを持ち、少しづつ変わっていきます。
夢破れて帰郷した主人公を迎える家族は、当たり前の生活を淡々と送り、誰も主人公を責めるようなことはしません。家族のありがたさ、故郷の温かさを感じることの出来る作品でした。田舎の良さも悪さも書かれています。実際に田舎暮らしをしている私にとっては、田舎の良さの方が多く書かれているなという感じは否めませんでしたが、年を重ねるにつれ、田舎の良さがわかってきているのも事実です。
主人公の家族、特に祖父母の人間としての懐の深さがとても心に沁みました。
人は良い人とのかかわりによって成長するということ、日々当たり前に生活できることがどんなに尊いことか、この作品で再確認しました。
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カドフェス ザ ベスト 2021の表紙は
「想」の一文字が印象的になっています。
裏表紙
東大を目指して上京するも、3浪の末、夢破れて帰郷したレイコさん。傷心の彼女を迎えるのは、個性豊かな森原家の面々と、弟のタカツグが店長をつとめるカラオケボックス『ウッド・フィールズ』だった。このまま田舎のしがらみに搦めとられて言い訳ばかりの人生を過ごすのかーレイコさんのヘコんだ心を、ふるさとの四季はどんなふうに迎え、包み込んでくれるのか・・・・・。文庫オリジナル感動長編!
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